一度苦手意識を持つと、なかなかそこから抜け出せないものです。
はじめて「それ」を習ったとき、たまたまできなかったからといって、
「それ」を難しいと思いこみ、
自分にはできない、と信じ込んでしまうとやっかいです。
以前聞いた話で
実話かどうかわかりませんが、
印象に残っているものがあります。
それはゾウの飼い方についてです。(日本においては現実的には非常に実用性のない話ですが)
まず、ゾウがまだ小さい子どもの時にロープである一定の距離までしか動けないように縛っておきます。
子ゾウのときは力が弱く、何度もそのロープを引きちぎろうともがくものの、引きちぎることができません。
結局ゾウは逃げ出す行為を諦めてしまいます。
ゾウに、
「君の力では、このロープを引きちぎることはできない」と信じ込ませることが目的です。
で、いったんそう信じ込ませたら、
巨大なゾウに成長したあとも、
そのゾウはもう二度とそのロープを引きちぎろうとしないそうです。
大きなゾウが本気を出せば、
そんなロープの一本ぐらい、いとも簡単に引きちぎれるにもかかわらずに、です。
きっとゾウは、
「どうせ無理なんだから、やっても無駄」と子ゾウのときのトラウマから抜け出せないのだと思います。
そこで振り返って生徒のことを考えてみると、
最初は無理と思ったことでも、
時間が経てばできるようになるかもしれないことがたくさんあるように思います。
小学、中学、高校と、
子どもの能力はものすごく成長します。
この成長段階のある時点で、
「できない」と決めつけてしまうのは、
かなり早計でもったいない考え方だと思います。